運動時のエネルギー供給機構

  • 今すぐエネルギーが欲しい時は
    ATP-CPr系(全力ダッシュ)

ATPを無酸素で再合成するシステムを「ホスファゲン機構」と呼ぶ

『ホスファゲン』とは、エネルギーを蓄えているリン酸の事をいい、○○リン酸と呼ばれている物質の総称になります。

無酸素でATP(アデノシン三リン酸)を再合成するシステムでは、クレアチンリン酸の働きが重要になってきます。

ATPが分解されADPになる時にエネルギーが発生し筋収縮が行われる

ADPをATPに戻すためにクレアチンリン酸が必要

ADP + クレアチンリン酸 → ATP + クレアチン

原材料となるクレアチンリン酸(CPr)を8秒程度で使い切ってしまい、継続できなくなります。


 

  • 長時間だけど激しい運動を繰り返す時は
    解糖系陸上の中距離走やサッカー、ボクシングなど、大抵のスポーツの主要なエネルギー供給機構は、解糖系になります。

糖は糖質、つまり炭水化物です。

炭水化物は食べると胃や腸で分解されグルコーゲンとなって体内に保管されています。解糖系は、そのグリコーゲンを分解することでATPを作り出します


 

  • ゆっくりだけど半永久的に働くのが
    有酸素系(マラソン)

有酸素系は、主に脂肪を原料にATPを作ります。

脂肪以外にも、解糖系によって出てきた乳酸も原料にできますが、圧倒的に脂質の方が多いので、脂質がメインの原料になります。

これまで、有酸素運動で脂肪が燃焼するには、20分以上かかるといわれてきました。体内のエネルギーは糖質から先に使われ、完全に消費してから脂肪が使われるという考え方からです。けれども、実際は糖質と同時に脂肪の燃焼も始まっています。その量が糖質を上回るまで20分以上かかるというのが正しい解釈のようです。

より脂肪の燃焼が始まる時間を早めたいのであれば、糖質が不足する空腹時に有酸素運動するのが良いという考え方もあるようです。

ただし、空腹時は血糖値が下がっているため、めまいや不整脈といった体調不良が起こりやすくなります。また、運動後に脂肪の燃焼が落ち着くまでは、しばらく食事を我慢しなければいけません。すぐに食べると糖質が入って、脂肪を燃焼する量が減ってしまうからです。

他にも空腹時の運動は、筋肉のエネルギー源となる糖質が不足しているため、筋肉が分解されて自らエネルギーを作り出そうとします。あまり極端な空腹時の運動は避けたほうが無難です。

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