「パフォーマンスアップ」を脳科学から考える

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「パフォーマンスアップ」を脳科学から考える

1)徒手によるケアと「声がけ」の重要性

身体機能を引き出すうえで、徒手的なケアと声がけは非常に重要だ。

(1)声掛けのポイント

1.クライアントがリラックスできるように誘導する
ここでは、相手に「力を抜いてもらう」ことに重点を置くこと。リラックスしてもらう理由は、「運動時には筋活動の促通と抑制がある」ことに加え、「筋活動の促通と抑制は無意識に行われる」ためであり、それを感じ取りやすくするのが目的である。

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2.視覚情報を元に運動を誘導する
脳幹網様体が適切に活動するため、前頭前野の活動が必要となる。そのため、クライアント自身が動きたい・運動したいという欲求を持ってもらうような誘導が必要となる。

※前頭前野の主な機能
・運動の遂行に必要な意思決定を行う
・視覚情報を元に運動を制御する
(そのため、視覚情報からの指示や声がけが有効となる)

3.動きたい感情を元に運動を誘導する
動きたいという感情を引き出すのは、補足運動野の「動きたい」という感情を元に運動を制御するためである。

(例)胸椎屈折の場合
いきなり動作を促さないこと。まずは胸椎の伸展が起きやすいようにケア(ストレッチ、リリースなど)を施し、クライアントに「これなら楽に身体を動かせるかも」という気持ちを起こさせる。

そのタイミングで、「〇〇のように動いてください」と指示をだすこと。施術の効果をクライアントがしっかり実感できることで、体を自発的に動かしてくれるようになり、運動効果も得られやすい。

4.上手く出来た運動を患者さんに伝える
運動学習を効率的に進めるために行なう。クライアントに運動の成果を伝えることで、側坐核が快刺激を感じ、直前に起こした運動を学習できるようになる。心情的にも、クライアントが運動の成果を感じられないと、学習が進まない。

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