COPDの病態と臨床での症状

見出し画像

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)の定義
⇒有害なガス(タバコ煙)を長期吸引し生じた非可逆性の気流制限を伴う肺の炎症性疾患
※肺気腫と慢性気管支炎の総称
↓ ↓
●肺気腫とは
肺胞領域が弾力を失い

●慢性気管支炎とは
抹消気道の炎症のより2年以上に渡り
拡張性に破壊された状態 3か月以上咳痰が続く状態

☆有病率
・60歳以上に多く、男女比は3:1

ここから先は有料部分です

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態
⇒肺胞組織の破壊(肺気腫)と末梢神経の炎症(慢性気管支炎)による気流制限

☆肺気腫による病態
肺胞は本来弾力を持っているため縮こまる力がある
縮こまる力を使って気道を拡張するようにしてくれる
⇒つまり
肺胞壁が破壊され気管を拡張する力が減少する

☆慢性気管支炎のよる病変
気道が炎症によって肥厚し、分泌物が貯蓄する

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)の臨床症状

臨床症状①
◎身体所見
・気流制限→呼吸が延長する・口すぼめ呼吸・喘鳴
・口すぼめ呼吸→口腔及び気道内圧を上昇させ気道の虚脱を予防する
・肺性心→浮腫・頸静脈の怒張(右心不全の徴候)
(※肺毛細血破壊・低酸素性血管収縮による血管抗増加に伴い右室拡大が生じる病態)
⇒肺胞破壊に伴う低酸素血症→チアノーゼ

臨床症状②
◎呼吸機能検査の低下
・気道狭窄→1秒(FEV₁)・1秒率(FEV₁%)が低下
・肺毛細血管及び肺胞破壊→肺拡散能(DLco )が低下

◎呼吸機能検査の増加
・気道狭窄→気道抵抗が増加
・肺弾性収縮力低下(肺実質が拡張)
⇒全肺気量(TLC)・残気量(FRC)・静肺コンプライアンスが増加

臨床症状③
◎動脈血流ガス
・肺胞・毛細血管に伴う低酸素血症→PaO₂低下
・死腔量増加や呼吸疲労に伴う肺細胞低換気→PaCO₂増加
・COPDが重症化するとⅡ型呼吸不全に陥る

臨床症状④
◎胸部ⅹ線検像
・残気量(RV)増加に伴う肺の過膨張
→横隔膜の平低下・胸部前後径の増加・肺野の透過性亢進

コメントを残す