股関節のインピンジメント
股関節の硬さの原因
股関節の各動作の硬さの原因としては、
・股関節周辺の筋肉の張力関係が崩れている
・股関節周辺の軟部組織の硬さ
・関節包の硬さ
などが挙げられます。
上記の様に、原因が筋肉なのか、軟部組織なのか、関節包なのか、によって適切なアプローチは異なります。
一例としてですが、
◉筋肉の硬さ = ストレッチ、PNF、マッサージなど
◉軟部組織の硬さ = 俗に言う筋膜リリース、フォームローラー、コンプレフロスなど
◉関節包 = 関節モビライゼーション(施術 or セルフ)
※PNF=proprioceptive neuromuscular facilitaition:固有受容器神経筋促通法
リハビリが発祥の方法。
可動域改善や筋出力の改善といった効果がある。
などが挙げられますので、いつも行なっているケアで効果が現れにくい場合は、違ったアプローチを試すことも必要かもしれません。
股関節の硬さにより生じるデメリット
股関節が硬い事で生じるデメリットは、適切な関節可動域が取れない事で筋肉を最大伸展最大収縮させる事ができないと言う事が一番大きいかと思います。
スクワット動作などでは、深くしゃがめない事が多いのと、股関節前部に詰まり感や痛み、違和感を覚える場合が多くなってしまいます。
ランジ動作やワイドスタンスでのデッドリフトでも同様のケースが考えられます。
加えて、股関節の可動域をカバーする代償動作として、腰部や膝関節に過負荷がかかり、二次的にそちらへ痛みや違和感が出てしまうといったケースも、指導現場では多く見受けられます。
股関節の硬さを改善することで得られるメリット
上記に記した点が全て改善していきますので、とても大きなメリットになるでしょう。
筋肥大を目的にしたボディメイクの為のトレーニングでも、重量を追い求めて行うパワーリフティングの為のトレーニングにおいても、関節可動域を確保し、最大収縮最大伸展が行える様にする事はとても重要になります。
また、代償動作の改善にも繋がる事で、腰痛や膝痛の緩和、改善として効果を表す事もあるでしょう。
内転しながら屈曲する時に痛みが出るのは恥骨筋、腸骨筋が骨の間に挟まっている可能性(その際はリリースすることで痛みが緩和する)もあるが
そもそも内転、屈曲をするとインピンジメントが起こる可能性は高い
骨盤が後傾して寛骨臼が後ろに傾くため大腿骨頭が後ろに行けずに前に出てしまうことでインピンジメントはじめ膝やオスグット、シンスプリントの原因になると言われている
そのため骨盤を前傾させることが必要になる
前傾させるための筋肉(脊柱起立筋、大腿直筋、腸骨筋)大腰筋は骨盤には触れていないので腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)とはならない。資料によっては腸腰筋と書いてある。
ただ前傾している人が必ずしも腸骨筋が拘縮しているとは限らない。
腸骨筋の筋力不足で適切な筋肉の長さを保てていない可能性がある(それにより骨盤前傾して腸骨筋がダルダルになってしまっている状態。これは後傾している時の大臀筋などでも起きる)
変形股関節症
大腿骨頭が本来4分の3程度収納されるはずの臼蓋の形成が生まれつき悪い(浅い)と臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)となり、年齢とともに変形性股関節症になることがある。女性になるひとが多い。
臼蓋とは寛骨臼(かんこつきゅう)の土手の部分。
前捻股の方は外旋筋は鍛えて外旋の可動域は出す、内旋筋はリリースなどのアプローチしないと変形性股関節症になるリスクが上がってしまう。
前捻股の方に無理に外旋させてしまうと股関節にかなりのストレスがかかってしまい股関節痛の原因になる
内臓、リンパ、神経が問題で股関節痛に繋がることもある
正常可動域
屈曲 110-120
伸展 20
外旋 40-45
内旋 30-45
内転 20
外転 45
股関節の動きに作用する筋肉
⭐️屈曲
・腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)
・大腿直筋
・縫工筋
・恥骨筋
・中臀筋前部
・大腿筋膜張筋
⭐️内転
・大内転筋
・長内転筋
・短内転筋
・薄筋
・恥骨筋
⭐️伸展
・大臀筋
・大腿二頭筋長頭
・半腱様筋
・半膜様筋
・梨状筋
・中臀筋後部
⭐️内旋
・小臀筋
・大腿筋膜張筋
・恥骨筋
⭐️外転
・中臀筋
・小臀筋
・大腿筋膜張筋
・縫工筋
⭐️外旋
・大臀筋
・梨状筋
・内閉鎖筋
・上双子筋
・下双子筋
・外閉鎖筋
・大腿方形筋
⭐️股関節の可動性改善
動画のように片足立ちになり限界まで開いたり閉じたりする
股関節の可動性が原因でニーインや屈曲制限がある方にオススメ
大腿骨と寛骨臼を滑らせるイメージ
⭐️股関節の内旋、外旋角度の簡易的な確認方法
より外旋している方がつま先が開く
内旋している方はあまり開かない
⭐️股関節内・外旋の整形外科的テスト
膝を支点として確認
外旋 40-45
内旋 30-45度が望ましい
⭐️外旋時の疼痛、つまり感、外旋可動域チェック方法
このように押した時に普段股関節で炎症などが起きている場合は痛みやつまり感がでる。
膝が地面から拳1個分まで膝が下がれば外旋可動域は正常
仙腸関節の可動性に問題があると屈曲時に股関節への負担が大きくなってしまう
⏬
仙腸関節の可動域改善方法