大腿四頭筋という強力な筋の力を伝達する役割を担う膝蓋骨の軟骨は、最も厚みがあると言われています。
そして、日常生活においても膝蓋大腿関節には負担が掛かりやすいです。
実際、どの程度の負担が掛かっているのかを、数字で見てみましょう。
日常生活動作における膝関節への負担は、リサーチにより多少のばらつきはありますが、下記のように報告されています。
膝蓋大腿関節への負担(体重比)
・自転車 :0.5倍
・歩行 :0.5倍
・階段昇段 :3.3倍
・階段降段 :5倍
・ジョギング:7倍
・スクワット:7倍
⭐️膝蓋骨の機能と特性
①膝が屈曲、伸展する時の滑車的な役割(膝をスムーズに曲げたり伸ばしたりできるようにしている。)
②何かに当たったりした時に膝蓋骨の奥の骨などを守るための盾の役割
膝蓋骨は大腿四頭筋など周りの組織に影響されやすい。(大腿四頭筋の停止部は膝蓋骨に付着している。)
⭐️膝が屈曲すればするほど大腿骨への接触圧が上がる(膝を伸ばしているときは膝蓋骨=パテラは動くが膝90度屈曲しているときはほとんど動かない)
⭐️パテラは外側に牽引される方が圧倒的に多い(その証拠にパテラの脱臼はほとんどが外惻。)
➡️その要因の1つとして大腿骨は骨盤に対して完全にまっすぐ降りているわけではなくわずかに内転しながら地面に向かっている。(女性は特に骨盤が横に広いためより内転しやすい)
そのため大腿骨は斜めになる➡️大腿四頭筋の筋の走行が斜めになる(起始部が外側、停止部が内側)➡️そのためパテラが外に牽引されやすい
この原因によるパテラを外側に牽引するのを防いでいるのが内側広筋の斜塔線維で内側広筋は外側広筋よりも真横に近い走行をしているため外惻と比較すると決して強くない内側広筋がなんとかパテラを外側に牽引されるのを防いでいる。
またそれに加え大腿骨の外側顆をパテラが乗り越えて脱臼しないように内側顆よりも前に突出している。
そのような筋肉や骨の脱臼への対策をしていても外側広筋、腸脛靭帯が拘縮していたりX脚、外反膝だと外惻牽引が強くなり外惻の脱臼や外惻の半月板が潰れていまったり様々なリスクが生じてしまう。
対策として
外惻の筋群を緩める(大臀筋、大腿筋膜張筋、外側広筋、腸脛靭帯など)
内側広筋を鍛える(スクワットやレッグエクステンションなどで膝を伸ばしきらないと外惻が発達してしまうのでしっかりと伸ばしきることが重要)